自民党と民主党はどこが違う?

衆院千葉7区補選で僅差ながら勝った民主党は、いま勢いに乗っています。ほんの少し前までメール問題で絶体絶命だったのに。この結果は、どう考えても候補者や政策のよしあしではなく、代表選挙で民主党にマスコミが一斉に注目したことによる情報量の差でしょう。加えて、小沢新代表への期待、ご祝儀票でしょう。

そもそも、自民党と民主党との間にどのような政策の差があるのか、きちんと説明できる人は、おそらく両党の所属議員も含めて多くはないはずです。むかしの自民党と社会党の対決を懐かしむ人、ことに「護憲派」といわれる人は、安全保障や外交、憲法問題に両党の大きな開きがないことを問題視して、「翼賛議会」だなどと批判しますが、それは間違いだと思います。そもそも、相手のある安保・外交政策や、国の基本法である憲法について考えに大きな隔たりがあることが問題だったのです。だから自社両党間では政権交代できなかったのです。

自民党と民主党はもっと違うところに対立軸をもとめるべきでしょう。自民党は昨年11月に新たに定めた「新理念」のなかで、「文化と伝統」の擁護・発展を掲げていますが、いっぽうの民主党の「基本理念」には「文化と伝統」という語句は出てきません。代わって民主党のほうは、「基本政策」で「生活者」「納税者」「消費者」の立場を代表することを謳っています。つまり、大まかに言うなら、自民党は「伝統的共同体」を重視する保守政党、いっぽうの民主党は「個人」を重視する「中道政党」といったところでしょうか。こうしたスタンスを、個々の政策でより鮮明にしてもらえれば、選挙において政党・政策選択が容易になるはずです。

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